写真館ヒストリー(2)ビクター蓄音機
写真館こばやしに残る、創業当初の雰囲気を伝える品を紹介する写真館ヒストリー。
第二回はビクター蓄音機です。店内の待合ルームでご覧いただけます。
こちらのVV-VIモデルはエントリーモデルとしてかなりの生産があったようです。
本体横の銘板に製造番号が記されていました。
こちらのサイトを参考にすると、どうやら1922年頃製造されたものであることがわかりました。
倉庫の中で眠っていましたが、当スタジオを改装した1970年代中頃に現在の店内へ展示するようになったそうです。
現在でもゼンマイを巻き上げることで再生できます。
こちらの蓄音機は1922年頃の営業当時、撮影中に再生するために購入したのか、それともあくまで私的なものだったのか、実はよくわかっていません。この蓄音機やレコードなどを収容するための棚も付属していたようですが、そちらは残念ながら処分してしまったようです。そして現在でも世界的に流通数が多いことからそこまで貴重な品という訳でもないそうです。
しかしレコードを再生すると、音楽鑑賞というのはとても儀式的だったのだなと感じます。
聴きたい音楽のレコードを選び、ゼンマイを巻き上げ、針を落とす。一時停止も巻き戻しもなく、鑑賞するという行為に純粋に浸ることに出来たのだなと感じます。
レトロな音色を聴くと100年前の街並みや営みがまるで目の前に浮かぶかのようです。